お盆にふさわしい花の種類って? 決まり事やマナーを大調査!
2018/08/22
お盆にお供えするお花には何か決まり事ってあるのでしょうか? 今回はそんな素朴な疑問を解明してみたいと思います。
私は毎回お盆にお供えする花は父に任せっきりだった為、あまり深く考えたことはありませんでした。
ですが今年のお盆に帰省したところ、父は体調が悪く寝込んでいまして、、
父曰く、「今年はお墓参りに行けそうもないので、私たち息子家族だけで行ってきてほしい」とのこと。
もう80歳を越えているし、昨今の天候不順もありますし、父が体調を崩すのも無理ないのかもしれません。
そこで父にはゆっくり休んでもらって、私たち家族だけで霊園に赴くことにしたのですが…
実は私、自分でお供えの花を買ったことがありません(汗)
霊園の売店の方から、
「どのお花にしましょうか?」
なんて言われて、一瞬「えっ」って戸惑ってしまったんです。
当然といえば当然ですが、お供えのお花も、色や種類など、人それぞれ好みに合わせられるようにバリエーションがあるんですよね。
思わず、
「じゃぁ・・・ 赤の入ったやつで」
なんて咄嗟に言ってしまいましたが、後から、果たしてそれで本当に良かったのかな、と気になってきてしまいました。
そんなことがありまして、この記事では、「お盆のお花にふさわしい種類や色ってあるのかな?」という素朴な疑問を掘り下げてみることにしました。
ちなみに、花代は1対1,550円。私としては1000円くらいをイメージしていたので、そのときはやや高いかなとも思いましたが、よくよく考えてみると、神棚に備える榊(さかき)も600円~800円くらいしますからね、まぁ妥当な線なのかもしれません。
後で調べてみると、1000円~3000円が相場のようでした。それにしてもここの売店、「50円」という端数はなんとかならないんですかね^^
目次
お盆のお供えにふさわしい花の種類とは?
お盆という時節柄、暑いですから、切り花として暑さに強く長持ちする花がお盆のお供えにふさわしい花と言うことができます。そのような観点から選ぶと、
- キク(菊)
- カーネーション
- ユリ(百合)
- トルコキキョウ
- ラン(蘭)
キク(菊)
菊は長持ちすること、花びらがあまり散らないこと、そして、古くから「邪気をはらう」とされていることからもやはりお盆の定番の花と言えます。
カーネーション
カーネーションも花もちがよく、仏花として良く用いられます。白のカーネーションの花言葉は「尊敬」「私の愛は生きている」というもので、意味合いからもお供えするのにふさわしい花と言うことができます。
ユリ(百合)
ユリも夏の花ということで、暑さに強く、水揚げも良いので長持ちします。ただ、仏花として用いる場合の注意点として、そのままでは花粉がまき散らされるので、雄しべの黄色い部分の花粉をとるということです。そうすることで受粉しなくなり、花もエネルギーを使わず長持ちさせることができます。
トルコキキョウ
花もちが良いことや、白や紫という色合い、そして花姿からもさわやかな印象を与えてくれるので、仏花にアクセントを添える花の一つです。
ラン(蘭)
蘭も長持ちする花の一つです。蘭というと華やかでお祝い事に贈ることも多いですが、故人が好きだった花ということで仏花として用いる方も多いようです。ただ、ランを添えるのであれば、霊園の売店などでは扱っていないので、お花屋さんに依頼して作ってもらう必要があるでしょう。
これら長持ちする花をメインに、故人が好きだった花を添えると思いやりのこもった仏花になるのではないでしょうか。
お盆のお供えにふさわしい花の色って?
まとまって見えるコツは、白・黄色・紫の3色をメインに、ピンクや赤の花をアクセントにすることです。方々調べてみたところ、昔はいざ知らず、最近では何色が良くないなどという制約も特に無いようで、故人の好みや、見栄えなどを優先して自由に選んで良いようです。
今回私は思わず赤い花を入れることを希望してしまい、「仏花に赤って大丈夫だったのかな」と、ずっと気になっていたのですが、全く問題ないようです。「仏花は白い菊をメインにしたもの」というのは、テレビの見過ぎによる私の先入観に過ぎませんでした^^
ただ、黒系の暗い花色は避けた方が良いという情報もあり、その点は私も同感です。
それと、アクセントという意味では、印象的な葉を添えるのも意外と良いかもしれません。というのも、今回霊園の売店で購入した仏花に添えられていたヤシの葉?のような葉が花の引き立て役となっていて、お墓に供えたときなかなか見栄えがして見えたからです。
お盆にお供えする花についての決まり事やマナー
最近では、お盆にお供えする花についての決まり事やマナーというのは基本的には大分少なくなってきたようです。「基本的には」というのは、そこに地域的、もしくはその家特有のしきたりが存在するからです。
それはそれで守らなければならないものなので、本家などに確認する必要があります。
あくまで一般的なマナーとしては、下記のような花は避けるべきといわれています。
- バラやアザミなどトゲのある花
- 彼岸花など毒のある花
- 虫を呼び寄せる匂いの強い花
- 花粉をたくさん落とす花
- 椿などボトンと落ちる花(縁起が悪いとされます)
ただ、バラなどは故人が好きだったならお供えしてもいいでしょうし、その際、人によってはトゲを取ってお供えする方もいて、なるほどと思いました。
また、ユリなど花粉が多く出る花であれば、先ほど述べました通りあらかじめ雄しべを取ってしまっても良いでしょう。
お供えの花を長持ちさせるには
以上、お盆にふさわしいお花やお盆のお花を供えるときの決まり事やマナーについてみてきましたが、ここからは、補足情報になります。お供えした切り花がしおれてしまう原因の一つは、水の中に細菌が繁殖してしまうから。その細菌が植物の吸水管に詰まり、水揚げを阻害してしまうのです。そこで、細菌の繁殖を抑えてあげれば、花は長持ちします。
それに一番いいのは、毎日水を変えてあげることです。その際、茎の切り口を切りなおしてあげると更に水揚げが良くなります。
と言っても、それも多くの方にとっては難しい相談です。そこで、菌の繁殖を抑えるのに、「延命剤」というものが市販されています。これを使えば、菌の繁殖は抑えられますし、切り花に有効な活力成分も含有されているためお花を長持ちさせることが出来ます。ただし、用法・用量を守って使用することが大切です。
それと、葉が水に浸かっていると腐りやすく細菌発生の原因になりますので、お供えする時、下葉は取ってあげると良いでしょう。
とは言え、お花を生ける花立て自体小さなものですし、お盆の暑い気候ではお花を長持ちさせることにも限界があります。出来ましたら、1~2週間後くらいには様子を見に行って、しおれていたら片付けてあげましょう。
時たま、枯れ果てたままお墓に添えられている切り花を見かけることがありますよね。あれだけは避けたいものです。
お供えの花に造花やプリザーブドフラワーって使っていい?
生花はどうしてもそれほどは長持ちしないため、できたら造花などを供花として使いたいところではありませんか。実は、今回お墓に供えた生花に交じって、造花も両側1輪ずつ入れてあります。我が家では前々から基本、造花を仏花として利用してきました。
どれが造花か分かります? 右側は葉っぱの陰に隠れてしまってますが^^
その理由は、もう父も高齢ですし、私もなかなかお墓参りには行けないからで、かと言って、何もお供えされていないお墓というのも寂しいものですから。
でも、その良し悪しは特に調べたことはなく、今までは我が家の独断でお供えしていたのですが、この機会に改めて調べてみました。
すると、
これも奥歯にものが挟まったような言い方ですが「基本的に」と言われるのは、宗教を特に問わない霊園や公園墓地で、あなたの「家」として造花を容認できるのであれば問題ないのですが、寺院にお墓を構えている場合、そこに仏教的理由から造花を良しとしない場合もあるのです。
もしあなたが寺院にお墓を構えているのであれば、ご住職に造花でも大丈夫か確認してみる必要があります。
私は100円ショップで売っているものを何本か購入していますがw、実に精巧に作られた「お墓用造花」も販売されています。
値段は2,000円程度から1万円を超えるものまでありますが、長く使えるという意味では必ずしも高くもないのかもしれません。
高級 お墓用造花 小型タイプ 1対2束セット カプリコーン供花 |
また、プリザーブドフラワーという生花を特殊な液に漬けて水分を抜いたものもあり、こちらは「造花」ではありませんので、胸を張って供花として使えるのかもしれませんね。
ですのでお寺にお墓がある場合でも、わざわざご住職に確認する必要もないかもしれませんが、もし気になるようであれば一言雑談的に聞いてみてもいいかもしれません。
最近ではコーティング技術が進歩し、屋外環境にも耐えるプリザードフラワーも出てきましたが、私個人的にはプリザードフラワーって、屋内の仏壇にこそ最適なのではないかとは思います。
ただ、造花にしてもプリザードフラワーにしても経年劣化はしますので、色あせてきたら定期的に更新することは必要かと思われます。我が家のお墓の造花も大分色褪せてきていて、そろそろ更新時期です。
まとめ
お盆にふさわしい花としては、夏の暑さに強く長持ちする花ということで、- キク
- カーネーション
- ユリ
- トルコキキョウ
一般的な決まり事には、
- トゲのある花
- 毒のある花
- 虫を呼び寄せる匂いの強い花
- 花粉をたくさん落とす花
- ボトンと落ちる花
要は、マナーとして、他のお墓の迷惑にならないような気づかい、そして、故人やご先祖様を敬う気持ちを忘れないということが大切なのではないでしょうか。
また、普段は造花やプリザードフラワーでも、お盆やお彼岸など節目節目には生花を供えるといった具合に、使い分けるのがよろしいかと存じます。